「におい」と「消臭」のミニ知識


 ☆「におい」と「消臭」にまつわるミニ知識

 「におい」は通常、良いにおいと悪いにおいの両方に用いられます。

  私たちを取り巻く生活空間には、好ましいにおいや好ましくないにおいなど
  いろいろあり、においのない空間はまずないといってよいのではないでしょうか。


  既存の有機物は、約200万種ありますが、うち1/5の約40万種にニオイがあると
  されています。

  私達は普段、「○○のニオイ」と、一つの臭いとして表現することが多いですが、
  実際は色々な臭い物質が混ざり合った複合体のニオイなのです。

  例えば、「タバコの臭い」がすると言った場合は、
  ホルムアルデヒドやアンモニアなど、およそ数千種類にも及ぶニオイ物質が
  混ざり合って、あのタバコ臭として感じているのです。


  主なニオイ物質と感じる臭いのイメージは、
  アセトアルデヒド  ⇒こげたような臭い
  硫化水素      ⇒腐った卵のような臭い
  メチルメルカプタン ⇒腐った玉ねぎのような臭い
  トリメチルアミン   ⇒腐った魚のような臭い
  アンモニア      ⇒糞尿の臭い
  スカトール      ⇒糞の臭い         などが上げられます。


  【ウェーバー・フェフィナーの法則】
  ちょっと難しい話で恐縮ですが、
  人間の嗅覚の感覚量はニオイの物質の対数に比例するという法則です。

  臭う範囲内なら、ニオイ物質を97%除去しても、感覚的には1/2に、
  99%除去しても、臭気の強さはやっと1/3になったかなと感じると言われています。

  ニオイの物質濃度と嗅覚の感覚量には、こんな差が出てしまうのです。
  人間の嗅覚って、優れているんですね。

  エアープロットを使用して、臭い物質を99%分解・除去していても
  やっと1/3位の臭いに減ったかなと感じるのは、このためなのです。


  においのうち、快いにおいを「匂い」、不快なにおいを「臭い」と区分しています。

  においの生理面よりも、におい成分を強調する場合には「ニオイ」とされ、
  快いニオイを「香気」、不快なニオイを「臭気」と呼んでいます。

  「悪臭」は、においの生理面よりも
  心理的に不快感を引き起こす場合に用いられます。


 室内で臭気を感じる場所はどんなとこ?

  ※室内に発生する臭気の表  
IMG_0002 498.jpg
日本建築学会環境基準 AIJES-A003-2005より引用


  住宅内で臭気を感じる場所としては、台所、便所、居間が多く、
  生ゴミ臭、調理臭、排水口臭、排泄物臭、たばこ臭が主な臭いでした。

  事務所では、たばこ臭が主で、他には体臭、建材、
  事務機(複写機、レーザープリンター)

  ※たばこ臭
   喫煙すると、CO、NOX、粉塵、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、ピリジンなど
   多くの汚染物質が発生し、その存在を確認されているものが、
   2,000種にも及ぶといわれています。

   たばこ臭は、これら物質の相互作用により発生するもので、特定の物質を
   取り除くことで解消されるものではないのです。


  喫煙によるたばこ臭が不快にならないための換気量はかなり多量です。
  たばこ臭対策として、全般換気はあまり現実的ではないようです。

   (市販の小型空気清浄機の脱臭機能は、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸の
    除去率から評価しているものが主ですから、効果は限定的なようです)


 「消臭」の原理に付いて 

  ※消臭の原理と対応製品分類及びよく利用される成分表
消臭とは?
日本建築学会環境基準 AIJES-A003-2005より引用


  「感覚的消臭法」
   ・中和法
     二つのにおいが混合されると双方のにおいの強さが弱まり、
     不快度が減少する場合をいいます。

     ある臭気(悪臭)に対して、ある種の芳香化合物を作用させて、 
     そのときに生ずる複合臭を元の臭気レベルより低い水準に変化させる方法。
     例として、
      樟脳とオーデコロン、スカトールとクマリン、ゴムと西洋スギ

   ・マスキング法
     ある臭気(悪臭)があるときに、これより強いにおい(芳香化合物)を
     作用させて、その臭気を感じなくさせる方法。

  「科学的消臭法」
   ・中和反応、縮合反応、付加反応、酸化反応、還元反応の5種類に分類されます。

  「物理的消臭法」
   ・多孔物質を用いて、臭気を物理的に吸着したり、包接化合物を用いて
    臭気を分子内に取り込み、臭気を減少させる方法です。

  「生物的消臭法」
   ・微生物法
     微生物が臭気物質を分解して、無臭化していくのを利用しています。
   ・酵素法
     微生物の中で臭気物質を分解する酵素を単離して利用する方法。
      

  消臭の分類
  【消臭剤】
    臭気を科学的作用又は感覚的作用等で除去又は緩和するもの

  【脱臭剤】
    臭気を物理的作用で除去又は緩和するもの

  【防臭剤】
    他の物質を添加して臭気の発生や発散を防ぐもの

  【芳香剤】
    空間に芳香を付加するもの     と分類されています。


  消臭剤、脱臭剤には、臭気除去と緩和効果
  芳香剤には、感覚的な臭気軽減や快適向上などの効果が期待できますが、

  生活空間での臭気は、種類、発生頻度、濃度などが多岐にわたり、
  消臭剤、脱臭剤、芳香剤の用途はある程度限定されているため、すべての臭気に
  対応することは難しく、臭気対策としては、補助的な位置づけになっているようです。


  それ以外の消臭方法として、
  【オゾン酸化法】
     強力な酸化剤であるオゾンにより臭気成分を酸化分解したり、オゾンによる
     マスキング効果などを利用した脱臭方法です。

     一般に空気中の臭気成分とオゾンの反応速度が極めて緩慢であることや
     オゾンの注入量の調節方法の難点があるとされています。

  【イオン】
     原子または原子団が電子を失うか得て生じる粒子をイオンといいます。
     マイナスに帯電したイオンはアニオン、
     プラスに帯電したイオンはカチオンです。

  ※一般に市販されている消臭対策品は、これらの分類に入るのが多いと思います。


  ※窓ガラスに塗って、におい物質を吸着・分解・酸化・除去する
   白金担持超光触媒「エアープロット」は、
   科学的消臭法の進化した、白金が主触媒の特許商品です。

参考文献:日本建築学会環境基準 AIJES-A003-2005